『ヨコハマメリー』 | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

“パリの紳士”を訳しているとき、急に「会いに行こう」と決めた人がいました。
その人の名は“ヨコハマメリー”さん。
東京今 彼女に会える場所は、新宿三丁目にある映画館「テアトル新宿」
そこで、昨晩『ヨコハマメリー』(ドキュメンタリー映画)を観に行ってきました。


あ~、やっぱり観てよかったァ
観る前に抱いていた“予想”は見事に裏切られたのですが、
おかげで温かい感動に満たされて、そう思いました。


一番好いのは、登場する人たち。
でもその上に、撮影や、森日出夫さんという方の写真、シャンソン、音楽など、チョット好いなと心魅かれるものが重なっていって、み~んな合わさったら、もうこみ上げてくる気持ちが風船のように膨らんでしまって…

ヨコハマメリー
ヨコハマメリーさんとは、ご覧のとおり顔を真っ白く塗りたくって、ヒラヒラのドレスを身にまとった、不思議なホームレスの老女。


“パリの紳士”がハバナの伝説なら、

メリーさんは横浜・伊勢左木町の戦後のシンボル
あちらが“caballero”なら、こちらは“emperatriz”なのだ!(これから観る方のためにあえて訳しません


二人はそれぞれ、ある時から、世間が敷いたレールを走るのをやめました。
でも、決して人生は捨てませんでした。
むしろ、胸の思いを大切に生きたのかもしれません。
そして、住む所も家族も何もない、そんな二人にとって、
身(または魂?)を守る術は、甘美な、あるいは優美なをまとうしかなかったのかもしれません…


傍目にはどう映ろうと、誇りをもって生き抜いた姿は、人の心を打ちます。
メリーさんの存在は、このドキュメンタリーのほかにも、本や写真、歌、芝居などに作品化されています。
映画のなかで五大路子さんが演じる一人芝居『横浜ローザ』の場面が出てきました。
それを見たら、今年の夏に横浜の赤レンガで行われるという公演がとても観てみたくなりました。

横浜ローザ芝居


驚いたことに、ハバナでも“パリの紳士”が一人芝居になって上演されたそうです
“マイミクシィ”の契りを結んだ方を通じて知りました。
http://www.cniae.cult.cu/De_Paris_uncaballero.htm
↑のサイトを見ると、なかなか良さそうですね~
コチラもいつか観てみたい!


さて、二人の孤高の人生もさることながら、それぞれの街には、同じ時と場を共有する人々がいて、交流もありました。
ハバナの道端で、“パリの紳士”は女性を敬い、子供を慈しみ、通りすがりの人々に挨拶をしたり、話を交わしたそうですが、メリーさんの場合は? 

続きは、ぜひスクリーンでご覧ください。


ドキュメンタリー『ヨコハマメリー』は、彼女のミステリアスな素性を追いながら、メリーさんの生きた時代と街の人たちの真実をあらわにしていきます。


帰りの電車のなか、プログラムを見ながら、ふと昨年知り合った『ハバナのドキュメンタリー(『いやしがたい記憶』の作者兼脚本家のデスノエスの視点を通して)』を撮っている青年のことを思い出しました。
ぜひ彼にもこんな素敵な作品を撮って欲しいな


そうそう、マリオ先生には、今度は私が「La Emperatriz de Yokohama」の話をする番!