ヘミングウェイにとってのコヒマールと海(ラ・マール) | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

先日FBでヘミングウェイの貴重な映像が投稿されていたので、紹介します。

1954年、ノーベル文学賞を受賞したときのもので、キューバの自宅、フィンカ・ビヒアでインタビューを受けています。そして、コヒマールの人々を“高貴”と讃えています。
肉声を通して、改めて「老人と海」に込められた作家の真意に触れてください。

 

   


ちなみに、この動画を投稿したサイトによると〈ヘミングウェイがスペイン語で話している唯一の映像かもしれない〉そうです。


 

私が“高貴”と思うキューバ人は、アレア監督を始めとする幾人かの映画人。
あ、我が師、マリオ・ピエドラ教授も高貴な精神の持ち主です。

 

追記:

「革命前のキューバといえば、アメリカの属国のような扱いだった。アメ車が道路を闊歩し、大リーガーがキャンプにやってくる。そうした場所に住む貧しい無名の漁師が、実はアメリカ人たちを超える高貴な精神性を持ち合わせていた、というのが本書のメッセージだ」

 

「老人の頭のなかで、海は一貫して”ラ・マール”だった。スペイン語で海を女性扱いしてそう呼ぶのが、海を愛する者の慣わしだった」 以上、都甲幸治氏の解説より。

 

都甲氏の解説のおかげで、上のインタビューでヘミングウェイが「ラ・マル」と女性名詞で呼ぶことにこだわる理由が分かりました(ヘミングウェイのスペイン語では分からない💦)。

 

いっそスペイン語のタイトルを ”EL VIEJO Y LA MAR” にする方が良いのでは?

 

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余談

断捨離をしていたら、2015年12月の日経新聞の切り抜きに「ヘミングウェイ博物館(フィンカビヒア)」に関するニュースがありました。
以下、抜粋。( )はMarysolが追加。
「61年に米国で(ヘミングウェーが)猟銃自殺後、メアリー夫人が邸宅をキューバに寄付し、博物館として公開された」
「米国とキューバが断交して以降、所蔵品の劣化が進んでいたが、オバマ米政権は国交正常化交渉開始を表明した2014年12月、住宅向け建築資材の輸出を解禁する方針を発表。ヘミングウェーの編集者の孫らが設立した米ボストンの(フィンカビヒア)財団は今後、86万ドル(約1億円)相当の建築資材をキューバに本格輸送する。これを受け、キューバの建築家らが年明けから高性能の空調装置を完備した2階建て施設お建築に取りかかる。完成は2017年の見込みだ。

「博物館には現在、蔵書訳9千冊、写真数千枚、愛用の机、タイプライター、地球儀、トカゲの剥製などが保管・展示されている」