『永遠のハバナ』 | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。


MARYSOL のキューバ映画修行-永遠のハバナ 『永遠のハバナ』 

原題Suite Habana 


ドキュメンタリー・ドラマ/ 84分/2003年
監督:フェルナンド・ペレス
撮影監督:ラウル・ペレス・ウレタ
編集:フリア・イップ
音楽:エデシオ・アレハンドロ
    エルネスト・シルネロス


内容 (映画パンフレットより)
ハバナの夜が明ける。

灯台の明かりが消え、街と人が動き出す。

そして、一日の物語が始まる。


 障害を持つ子供。街角でピーナッツを売る老女。家族を残しアメリカに向かう男。ダンサーを夢みる青年。そして人々の夢を見守るかのようなジョン・レノンの銅像。みんなが、ささやかな夢を抱えて生きている。誰もが、物語の主人公。それぞれの人生を重ね合わせ、ひとつの音楽、ひとつの組曲を奏でるように音と映像だけで作り上げた、愛すべき街「ハバナの物語」がここに誕生しました。


Marysolから一言 (2003年銀座・新橋ラテンマップNo.14に掲載)
「物語を語るためには、愛着を持てる風景がなくてはだめなんだ」

ヴィム・ベンダース(『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』監督)


キューバ映画『永遠のハバナ』の主役は、ハバナの街とそこに住む無名の人々。
ペレス監督は、街で見かける名もない庶民から10人ほどを選び、彼らの一日をスクリーンに再現。映像とサウンドだけで綴りました。


それは、観光客の目に触れることのないハバナの姿です。色褪せ、傷みの激しい、荒廃した街。そこで営まれる暮らしは、困難に満ちています。

登場人物の表情には、疲労と憂愁の色が滲んでいるし、台詞が一切ないためか、寡黙。まるで、ひたすら耐え忍んでいるかのよう…
けれど、監督が撮りたかったのは、そんな苦悩ではありません。

むしろ逆境にあっても、挫けることなく、凛としているハバナの人々の強さ。

苦境にあっても、思いやりと夢を失わない“人間力”のほうです。


ラストに流れる『キエレメ・ムーチョ』は、監督からハバナへの愛と祈りのメッセージ。
「私を愛しておくれ。お前の愛さえあれば、私の苦しみも癒される。

お前から離れては生きていけない」