El rincon de la pasiencia | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

昨晩のNHK・BS7の「映画が語るキューバの真実」皆さんはご覧になりましたか?
ペレス監督の肉声、誠実に語る姿に初めて触れ、監督がなにやら身近な存在に感じられました。ペレス監督はあの人柄ゆえ、皆からとても愛され、信頼されているようですし、若手の映画人に対しては良きアドバイザーとなっているようです。


番組では、現在渋谷のユーロスペースで公開中の『永遠のハバナ』を通して、そこに住む普通の人々の心情やキューバの抱えるジレンマに迫っていましたが、『ハローヘミングウェイ』までの2作と比べると、大きな変化を感じて、とまどう方も多いのではないでしょうか。

監督自身『ハローへミングウェイ』を撮る時点(1990年)で、目の前の問題に向き合わなくて良いのかという葛藤があったようです。ただ、その問題に取り組むには長い時間を要するであろうことと、その前に撮っておきたかったものがあって『ハローヘミングウェイ』が出来たのでしょう。

というわけで、この後の作品『マダガスカル』(日本未公開)は、ペレス監督の転機を示す重要な作品です。

私は一昨年ハバナに寄った際、勧められて『マダガスカル』のビデオを買ってきたものの、全く理解できませんでした。キューバのスペイン語がすべて聞き取れるわけではないことも原因ですが、作品そのものが難解です。

昨年12月に再度ハバナを訪れて、キューバ映画について専門の先生からレクチャーを受けてきました。キューバの歴史を独立戦争にさかのぼって学びながら、平行してそれぞれの時代を映す主要な作品をビデオなどで観てきました。また、先生の話や自分の体験(出会った人々との対話)を通して、キューバの人々の気持ちも、前よりは推し量れるようになれたのではないかと思います。

今年になって再度『マダガスカル』を観たとき、ほのかに“見えてきたもの”、“感じられるようになったこと”がありました。そんな経験をもとに、次回は『マダガスカル』の紹介をしたいと思っています。

ブログにアップできるのは、4月の初めくらいになるかもしれませんが、それまでは、昨年のハバナ映画祭(新ラテンアメリカ国際映画祭)での体験談などを紹介できたら・・と思っています。

引き続き、よろしくお願い致します。

そうそう、右上の写真ですが、昨日テレビ番組の画面をじっと見ていたら、人々の背景に映っていたのでビックリ!

"El rincon de la pasiencia"と書いてあります。スペイン語がわからない方のために訳すと「耐え忍ぶ片隅」。そしてよく見ると、本当は”paCiencia"と表記すべきところが"paSiencia"と間違っています。そこが“ご愛嬌”。

この画像をプレゼントしてくれた私の先生に寄ると、綴りが間違っていることからして、あまり“偉くない人”が、暇つぶしにちょっといたずら書きをしたのだろうけれど、そんな彼の“心の片隅の思い”が、皆の共感を呼んで愛されているそうです。


まさか『永遠のハバナ』に映っているとは気がつきませんでした。今度、また観にいく予定なので、そのときスクリーンで発見するのが楽しみです。
皆さんも注意して見つけてください。